さん付け、敬語の徹底
 ライブレボリューションの特筆すべき企業文化のひとつに「さん付け・敬語の徹底」というのがあります。これは、社外の方に対してだけではなく、社内のメンバーに対しても同様に徹底されています。社長ですら、新しく加わったメンバーに対して、「呼び捨て」や「君付け」で呼ぶようなことはなく、全員に対してきちんと敬語で話をします。

  実は、上下関係によって呼び方を変える、話し方を変えるというのは、組織の硬直化を招きます。年下の人や今まで部下だった人が、急に自分の上司になったとしたらどうでしょうか。おそらく、呼びづらい、話しづらいのではないでしょうか。従って、上下関係を入れ替えるような人材配置がやりにくくなります。これでは、実力、才能、適正がきちんと反映されている体制とはいえません。

  これに対して、「適時、適材、適所」というのがライブレボリューションの基本スタンスです。たとえ、入社一ヶ月目のメンバーであろうとも、実力や才能、そして適性さえあれば、責任あるリーダーに抜擢します。ちなみに、人によってはリーダーに向かない場合があります。そういう人が敢えてリーダーにならなくても済むよう、役職によって昇給させたり、給与水準を変えたりはしていません。

  上下関係も踏まえた柔軟な人材配置を可能にするには、各人に相手がどのような人であろうとも常に尊重する姿勢と、それを育む文化が必要です。年下だから、部下だからといって相手を見下すのではなく、お互いが高めあい尊敬しあえることが大切です。そのような人間関係が会社全体を高めていくのです。

  また、こういったやり方は人材配置の側面だけでなく、ビジネスの側面から見ても理にかなっています。トイレが汚いレストランは繁盛しません。見えないところ、目立たないところへの気配りができないことの現れだからです。

  これは、オフィス内での会話についても同じことが言えるのではないでしょうか。確かに会話は目に見えませんが、見えないからこそ大事なのです。オフィス内に怒号や汚い言葉が蔓延している状態は、レストランのトイレが汚れていることと何が違うというのでしょうか。内装の美しさや豪華さを自慢しても、そこで飛び交う会話が汚れていれば、気配りが足りていないのと同じことだと思います。

  人は本来、「汚い」「暗い」「臭い」「狭い」「危ない」といったところには近づきません。そういったところには人が集まらないのです。お客様だけでなく、そこで働きたいという人が集まらないというのであれば、経済的にも発展しません。これではビジネスがうまくいくはずがないでしょう。そもそも、「お客様だから」「従業員だから」「上司だから」「部下だから」と相手を区別しながら言葉を使い分けるのではなく、常に誠実かつ謙虚な姿勢を保つことが大切なのではないでしょうか。

  「相手を高める者は、相手からも高められる」

  お客様に敬意を払えば、お客様からも敬意を払われるようになります。年下や部下に対して敬意を払えば、結局は上司である自分も敬意を払われるのです。この真理が理解できる人とのみ、一緒に働きたいと望んでいます。

  「さん付け、敬語の徹底」を本格的に取り組み始めるようになったきっかけは、それまでの組織体制を改めたからです。2006年7月までは「事業部制」「部課長制」をとっていました。これをフラットな「ユニット制」「リーダー制」に変えたのです。さらに、フラットなだけでなく柔軟な人材配置ができるように、この「さん付け、敬語の徹底」が必要になりました。それは、上司と部下の入れ替えに、言葉遣いや呼び方がネックになる
と考えたからです。

  当然、メンバー同士の「さん付け、敬語の徹底」は、オフィス内での会話に限ったことではありません。オフィスの外でも徹底しなければ意味がありません。

  ある日、こんな光景を目にしました。

  サービスの素晴らしさで有名なレストランでのことです。とても感じのよい店員さんが、厨房に料理をとりにいきました。ところが、その店員さんは仲間に対して怒鳴ったり、ひどい口のきき方をしたりしていたのです。私への対応との違いに驚きました。外向きの対応は丁寧でも、内向きの対応をおろそかにしていたために、真実の姿がお客様にバレてしまったわけです。

  社内向けにも丁寧な対応を徹底できている会社は、日本にどれくらいあるのでしょうか。ほとんどないでしょう。だからこそ、「さん付け、敬語の徹底」をしてゆけば、企業文化のブランド化に一歩近づくことになります。

  そして、よい人間関係を保ちながら、実力主義の徹底とフラットで柔軟な組織運営を可能にするのです。