自分たちの給料は自分たちで決める
 システムによってほぼすべてを自動化できたことで、集計の手間がなくなりました。そこで、ライブレボリューションでは評価を年四回実施できるようになりました。

  評価は、1月初日から3月末日までを4月の第二週の評価実施期間(一週間)に行われます。同様に、7月、10月、1月の第二週が評価実施期間です。

  評価結果は、評価実施期間の翌週の月曜日にWeb で本人と役員のみに公開されます。 「価値観」の70
項目それぞれの評価とその平均点や「パフォーマンス」の平均点、そして、項目ごとに寄せられた周りからのコメントも表示されます。もちろん、気になる昇給額までわかります(お節介なことに、昇給後の時給、残業した場合の時給等も表示される)。

  結果は、全員分の『Six Members Valuation』の評価を私が確認してから公開されます。ちなみに、この確認作業で一番楽しみにしているのが、評価者が寄せた「コメント」です。「近くで一緒に仕事をしている人だからこそ書けた」という内容がちりばめられています。

  「トイレでは、ちゃんと手を洗ってください」
  「Yシャツにアイロンがかかっていないことがあります」
  「外でもメンバーの代表としてふさわしい行動をとってください」

  社長である私の前では決して見せない一面が、これらのコメントを読むことで見えてきます。もし、「仕事がうまくいってないのかも」「体調が悪いのかも」といったことが読み取れた際には、すぐにそのメンバーをフォローするよう心がけています。また、評価が低い人の場合には「もっと向いている仕事はないか」と検討します。私はここから、従来の評価システムでは見ることのできない貴重な情報を得ています。

  ところで、世の中の企業の大部分が評価をフィードバックしていないのではないでしょうか。

  「どのような評価だったのか」
  「どうしてこの昇給額だったのか」

  これらのフィードバックがないのです。従って、どこをどう改善すればよいのかもわかりません。

  それに引き換え、『Six Members Valuation』のフィードバックは、詳細なものになっています。各項目の評価点数までわかりますので、どこが高くて、どこが低かったからその昇給額になったのかを知ることができます。さらに、各項目につけられた周りのメンバーからのコメントには、具体的な改善案も書かれていることがあります。それらにより、次の評価実施期間までに、評価の低かった項目を徹底的に改善することが可能になります。

  この給与制度で評価を上げるポイントは、『LR HEART』に則った行動をとることと、周りの人の役に立つことを常に心がけることです。

  本来、ナレッジワーカー(知識労働者)の仕事というのは、人の役に立って初めて成果となります。人の役に立たないことをいくらやっていても意味がないのです。『Six Members Valuation』の場合、周りの六名から「実際にこの人は役に立っている」と思われなければ、よい評価をつけてもらうことができません。独りよがりで、「自分はできている」と思っているだけではダメなのです。また、たとえ役に立っていたとしても、自己中心的で人に嫌われるようなことをしているタイプですと、評価がガクンと下がってしまうでしょう。従って、常に周りの人たちから必要とされ、好感をもたれるように心がけて行動することが大切です。

  評価と昇給を年四回にすると、メンバーには大きなメリットがあります。年間の昇給額を同じ額とするならば、年一回の昇給よりも年四回の昇給のほうが、年間の総支給額は多くなるからです。年に一回4万円昇給するよりも、年に四回1万円ずつ昇給したほうが総支給額は多くなります。

 さらにいえば、評価する期間を小刻みにしたほうが、当該期間の成果をより的確に評価や昇給額に反映させることができると言えるのではないでしょうか。なお、昇給額の計算式がすでに社内で公開されていますから、どのくらいの評価が得られれば、将来どのくらいの年収になるのかをシミュレーションすることもできます。グラフを見ればわかるとおり、高い評価を得続けることができたならば、有名な大手メーカーの平均年間昇給額(約5000円)を3倍近く上回ることになります。

  年収の増え方をグラフで見ると、成果報酬型というより年功序列型に近くなっています。ですから、若いときは当人の実力に比べて給料が低く抑えられている場合もあります。ただ、これは、ライブレボリューションが「終身雇用」の方針を採っているからこそできるものです。

  短期雇用と終身雇用(あるいは長期雇用)のどちらがよいかは、会社や働き手の考え方によって異なります。「若いうちに稼ぎたい」という考えが自分に合っていると思う人は、成果主義の企業に就職するのがよいでしょう。

  今後、ライブレボリューションでは成果報酬型のようなアップダウンの激しい給与制度は取り入れません。一度失敗した際に学んだからです。人間は「右肩上がり」の給与制度であるほうが毎日心安らかに暮らせるということを。給料が何度も続けて下がってしまうと、「次も下がるのではないか」と不安になります。そのような心理状態では、よい仕事もできません。ですから、成果報酬型を好む方には是非、他社で働いていただきたいと思います。逆に、ライブレボリューションの理念や価値観に共感し、『Six Members Valuation』で昇給額を決めて、右肩上がりに年収が上がっていくほうがいいと思う方には、当社を選んでいただきたいと願っています。

  私が強調したいのは、ライブレボリューションの新しい給与制度は、極めて民主的な給与制度であるということです。

  給与の決定権を「会社」から「メンバー」に委譲しました。会社としては、評価に対して一切手を加えることができません。従って、「自分たちの給料は自分たちで決める」という給与制度になったのです。

  給与決定の主権が、「会社」から「メンバー」に移ったということは、まさに革命的なことだと言えるのではないでしょうか。