「理想はライブレボリューションに内定した学生」
 ある上場企業の副社長の方から次のように言われたことがあります。

  「当社が新卒で採用したいと思っている学生の理想はライブレボリューションに内定した学生なんですよ」

  その一番の理由は「素直だから」とのことでした。

  「でも、御社に内定した学生は、絶対に内定を辞退しないから、落ちた人を採るように言っているんですよ」

  私はそれを聞いて不思議に思いました。

  「どうしてライブレボリューションを落ちた人を採りたいのですか」
  「だって、御社の選考に進んでいる人というのは、御社の就活セミナーとかアカデミーとかで勉強しているでしょう。それだけでも価値があるということですよ」

  もちろん、その会社が「ライブレボリューションを落ちた学生」というだけで採用しているわけではありません。それにしても、私がその副社長の発言の中で驚かされたのは、ライブレボリューションのことをよく研究されているということでした。

  ここで、ライブレボリューションの内定者たちの活動について触れたいと思います。

  2007年4月入社予定だった内定者の代は、「書籍化プロジェクト」というものをやり遂げました。これは、金子の就活セミナーを書籍化するというものです。2006年6月からこのプロジェクトをスタートさせて、見事、2006年10月に『就活の王道』(総合法令出版)として出版しました。また、続いて彼らは、その後輩に当たる次の代の採用まで手伝ってくれました。「会社説明会」「資料作り」「面接官」等をこなしました。

  「御社の会社説明会は、まだ学生である内定者たちがやっているそうですね」

 他社の社長の方たちからも、このような驚きの声を頂戴します。どうやら彼らが行う最終面接で、学生からそのような話が出ているようです。

  通常、就職活動が終わった学生というのは、開放感もしくは燃え尽き症候群のために、 「入社する(4月)までは、学生にしかできないことをして遊ぶ」となってしまいます。私は、このような人たちを採用したくありません。

  本当は、仕事とは楽しいものなのです。そして、人生をかけて取り組むものです。にもかかわらず、就職先が決まったからといってすぐに遊ぶのでは、先が危ぶまれます。仕事をしたくて就職先を決めたのではなかったのでしょうか。就職先が決まったら、その就職先で力を発揮できるように準備をしなければならないのではないでしょうか。

  やる気のある内定者というのは、入社するまで仕事をするのを待つのではなく、入社する前から仕事を追いかけます。「仕事を追うか、仕事に追われるか」、この違いは雲泥の差を生みます。仕事を追いかけていると、先のことや他の人のことを考え、人間としてもどんどん成長していきます。

  ライブレボリューションに内定した人たちというのは、自ら喜んで働くことが、結局は会社の業績を高め、自分たちの幸せにつながるということを、よく知っている人たちです。それが理想の内定者のあるべき姿だと思います。

  この理想の内定者のお手本ともいうべき「世の中が求める人物像」について触れておきたいと思います。それは『ガルシアへの手紙』(総合法令出版)に出てくるローワンという人物についての話です。

  スペインとアメリカの間で、キューバをめぐって戦争が勃発したとき、米軍は反乱軍のリーダーであるガルシア将軍に連絡をとらなくてはなりませんでした。ところが、ガルシア将軍は、キューバに広がる広大な山岳地帯のどこかにいると言われながらも、誰もその正確な場所を知りませんでした。いったいどのようにすれば連絡がとれるのかと考えていたとき、米国大統領にこのような進言をする者がいました。

  「ガルシアを見つけることができる人がいるとしたら、それはローワンという男でしょう」

  果たして、この「ローワンなる男」は、どのようにしてガルシア将軍に手紙を届けたのでしょうか。その詳細は重要ではありません。一番伝えたいポイントはこうです。米国大統領は、ガルシア将軍に届けるべき手紙をローワンに渡し、ローワンはその手紙を受け取りました。しかし、ローワンは「その人はどこにいるのですか?」と尋ねはしなかったのです。

 米国大統領はローワンに「ガルシアへの手紙を届けろ」という命令を出しました。ローワンは、その理由をあれこれ聞きませんでした。条件も出しませんでした。命の保障、「誰が助けてくれるんですか」などとも言いませんでした。自分が信頼され、自分がやるしかないと思い、だからこそ何も言わずに、自ら考えてすぐに行動に移したのです。

  この任務は、死を覚悟していなければできません。2億人近いアメリカ国民のうち、自分だけが犠牲になるという覚悟をしなければならないのです。ローワンは「なんで自分だけが」という発想をする人ではありませんでした。彼は、アメリカ国民そして米国大統領の願いを実現するために、一身を捧げたのです。

  ここにローワンを「世の中が求める人物像」として模範とするべき理由があります。

  組織で仕事をしていく上で、いつか必ず困難な仕事に取り組まなければならない時が訪れるでしょう。突然、「あなたにお願いしたい」と頼まれることもあるはずです。そのときに大事な心構えがあります。

  「それがみんなのためになるならば」

  これがライブレボリューションのメンバーに求められる心構えであり、全体最適化を踏まえた答えです。やがて、使命を与えられたメンバーは、自ら考えて行動し、結果を出します。しかし、その使命を全うしたとしても驕ることなく「あたりまえのことをしただけです」と口にできなければなりません。なぜならば、ローワンという人物は、そういう人だからです。

  就職先が決まり、入社するまでずっと遊び呆けてしまうような人というのは、自分の将来のためにだって仕事もしない人です。自分自身のためにさえ行動しないという人が、どうして「みんなのために」といって、努力をしてまで働くのでしょうか。きっとそんな人たちは、就職してからも「教えてくれなければできません」という態度をとったり、平気な顔をして「ガルシアはいなかった」と言って営業先から戻ってきたりする人たちでしょう。

  私が常に心惹かれるのは、自ら考えて行動しガルシアへの手紙を届けられる人です。それはライブレボリューションにとっても理想の内定者であり、世の中で最も求められている内定者ではないでしょうか。