取引が永遠になるとき
 私が『ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング(文庫)』(M.トレーシー著、F.ウィアセーマ著、大原 進著:日本経済新聞社)を読み始めたのは2005年7月5日のことになります。

  同著には、市場での厳しい競争を制することができる強い企業となるためには、特定の強みを活かせる「価値基準」を選択しなければならないと述べられていました。そして、その価値基準に基づいた商品やサービスを提供するのにふさわしいやり方の組み合わせをひたすら守り、絶えずそのやり方を改善するよう自己を厳しく律し続けなければならないとありました。その間、守備範囲を広げたいとする誘惑にも絶えず打ち勝たなければなりません。企業がその価値基準の一つを選択し、追求し続けることができれば、競争相手との相似性を消滅させることができるはずだというようなことが書かれていました。

  では、企業が特定の強みを活かせる「価値基準」とはどのようなものなのでしょうか。同著は、「オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence :経営実務面の卓越性)」、「プロダクト・リーダーシップ(Product Leadership :最良の製品を追求すること)」、「カスタマー・インティマシー(Customer Intimacy :顧客との親密性」の三つの異なる「価値基準」に分類できるとしています。これを読んだ当時の私は、「ライブレボリューションの価値基準は、カスタマー・インティマシーだ」と思いました。

  「お客様と親密な関係を築いて、共に成功の喜びを分かち合いたい」

  カスタマー・インティマシーという価値基準は、ライブレボリューションの「宇宙一愛される企業を目指す」というビジョンや価値観とも合致するものだったのです。

  私が同著を読む前にライブレボリューションの価値観としてまとめた『LR HEART』には次のように記されています。


 「基本原則」10項

最高の商品とサービスを提供します。お客様が欲しいものだけを提供し、こちらからは売り込みません。徹底的にお客様のニーズを研究し、記録し、商品とサービスを磨き上げ、新規開拓よりも目の前のお客様を一人ひとり満足させることに注力します。



  この『LR HEART』の「基本原則」10項で述べられていることは、まさにカスタマー・インティマシーを実践する企業が持つ価値観と同じものでした。ですから、私は社内向けの戦略説明会の席上で「ライブレボリューションは、カスタマー・インティマシー戦略でいきます」と宣言しました。

  ライブレボリューションがカスタマー・インティマシー戦略を遂行していくためには、まず社内のメンバーと仲良くなれる人材を集めることが絶対条件です。一緒に働くメンバーとも仲良くなれないような人が、どうして外部のお客様と仲良くなれるのでしょうか。経営上で私たちが最初に気を配らなければならないのは、メンバーやお客様と親密な関係を作り上げる素質を持った人たちを集め、維持し続けなければならないということです。

  カスタマー・インティマシーとは、お客様との親密性を築き続けなければならないという点において、それは一緒に旅をするということに似ています。ですから、その戦略をとりながら利益を追求していくということは、当然ながらそれが同時にお客様の利益にもつながる形をとらなければなりません。

  また、ライブレボリューションがお客様の持っている予算の中でどのくらいのシェアを占めているのか、そして、その収益性はライブレボリューションにとってどれくらいなのかをよく知り、お客様の生涯価値をきちんと理解していなければなりません。ですから、カスタマー・インティマシー戦略での最悪の失敗は、一回の取引を失うことではなく、将来もリピートするはずだったお客様を失うことなのです。

  ですから、そんなお客様を失わないようにするためにも、フラットで柔軟な組織である『ユナイテッドユニッツ』のような組織形態をとり、お客様に密着しているメンバーに対して大幅な裁量を与える必要があったわけです。

  カスタマー・インティマシー戦略を実践する企業の文化に深く根差していなければならないのは、お客様の仕事がうまくいったら、自分たちの仕事もうまくいったのだという感覚です。ですから、メンバーたちが最も気にかけていなければならないのは、自分たちがお客様の成功を実現するのに重要な役割を果たしているということを、お客様から認めていただいているかということなのです。私は、ライブレボリューションをカスタマー・インティマシーの価値基準に沿って、小さな改革からコツコツと進めてきました。その成果の一つが、頂いたメールの中に現れています。


 増永さん
 東京オフィスコンサルティングの宇垣です。
 プレジデントビジョンの空き枠を発見したので、お電話をして広告の掲載を依頼させて頂きました。石井さんという方に対応頂いたのですが、その対応が非常に良くてさすがだなと思いました。これが、電話に出てくださった皆さんに共通していました。やはり電話に出るときの対応って大切ですよね。
 プレジデントビジョンおよびライブレボリューション・ファンなので、ベンチャーエントリーさん同様に、永遠に広告の掲載をお願いしたいと思っています。
 今後とも、よろしくお願い申し上げます。

 東京オフィスコンサルティング株式会社代表取締役社長 宇垣 充浩



  カスタマー・インティマシーにおける親密性の理想、それは「取引が永遠になるとき」です。私はいまだかつて、ライブレボリューション以外に「永遠受注」というものを聞いたことはありません。何百冊もの本を読みましたが、それでも永遠に取引したいといわれた企業など、どこにもありませんでした。

  これは今でさえ、「永遠に取引したい」と言われるほど、ライブレボリューションとメンバーたちが、お客様から愛され信頼されているという証なのです。私はそれを誇りに思います。